あらすじ
三千年以上、神々の“便利な道具”として世界を救い続けた戦乙女ラヴィーナは、働きすぎで心がポキッと折れかけていました。
そんな彼女に残された生存本能。それは――「人間の濃厚な感情をチューチュー吸いたい」という渇望。
職務放棄して地上に降りた彼女は、人間を苗床に、感情という果実を育てて香水にする【農家兼調香師】へ転職する。
「暴力はめッ、ですよぉ。果実が傷んで、香りに“えぐみ”が出ちゃいますから。
――だから、丁寧に心をへし折って、完熟させるんですぅ」
これは、最強の隠居生活者が、自分を満たすアロマを作るためだけに他人の人生を狂わせ(耕し)、結果として検体たちに崇められてしまうサイコでハッピーなマッチポンプ・ストーリー。
【栽培実績】
・悪徳領主の「強欲」という雑草をチョッキン(剪定)。全財産を寄付する、無害な「聖人」へ品種改良。
・村の老婆から熟した「申し訳なさ」と「感謝」を収穫。不安の一切ない「幸せなボケ老人」へ加工。
本人はただ、良い香料を得るために農作業をしているだけ。
だが、中身を吸い尽くされた元・人間(出荷済みの残りカス)たちは、なぜかラヴィーナを狂信し、どこまでも付き纏うようになり……?
「あら、最近やたらと視線を感じますねぇ。香りに誘われて虫さんが湧いたのかしら?」
(※違います。貴方が収穫した被害者たちです)