あらすじ
焼け跡の村に現れた孤児院「救済の揺り籠」。
そこでは多くの人が救われ、祈り、そして生き延びていた。
だが、入ったはずの子供が戻ってこない――そんな噂が、静かに残っている。
旅人・朝倉恒一は、名も告げず、その場所を訪れる。
彼は正義を語らない。
誰かを断罪もしない。
ただ、問いを置くだけだ。
その問いは、答えを引き出す。
そして、ときに――返ってしまう。
相手の内側にある言葉を露わにする「Query Mode」。
そして、引き出された真実を、理解として返してしまう現象。
善意の顔をした救済の奥にあるものが、言葉として零れたとき、
男は初めて、自分自身の本当の理由を知る。
問いは、世界を救わない。
ただ、嘘を残さないだけだ。
静かな対話と心理の崩壊で描く、
異世界心理SF「裁定」の物語。