あらすじ
世界に突如として現れた、“異能”。
それは人の願いや欠落に呼応し、武器や力として具現化する危険な力だった。
自分が傷つくことで、すべてが丸く収まるのなら――
そう考えてしまうトウマ。
誰かに認められるために、強さを求め続けるキョウヤ。
大切な人を守るためなら、迷わず前に出るツルギ。
三人は高校時代から共に過ごし、
同じ場所で笑い、同じ時間を生きてきた。
だが異能の存在は、それぞれの“選び方”を容赦なく突きつけてくる。
トウマは背負うことを選び、
キョウヤは証明することを選び、
ツルギは守ることを選んだ。
その選択は、決して間違いではなかった。
――ただ、同じではなかった。
正しさが噛み合わないまま進んだ先で、
友情は試され、衝突し、静かに壊れていく。
それでも立ち止まれば、世界は終わってしまう。
これは誰か一人の英雄譚ではない。
三人それぞれが、自分の弱さと向き合いながら選び続けた物語。
友情、承認、犠牲。
交わらなかった三つの覚悟が紡ぐ、
静かで残酷な現代ファンタジー。