あらすじ
『稀代の天才発明家、「流川桃々」が開発した首都自律階層化システム、通称「アイギス」は、長年解決不可能とされてきた人口問題に終止符を打った。
限られた土地を自動的に垂直方向へと再構築することで、中枢地域における慢性的な土地不足を解消。さらに、国民の居住地を首都へと極地化する政策と連動させることで、少子化と人口分散という二重の問題を同時に解決した。
排水を担う巨大な心臓。
都市を巡る動脈のような交通網。
代謝のように自らを生成し続ける大地。
それを管理する細胞のようなアンドロイド達。
人類は初めて、「都市そのものが生きている」時代を手に入れた。
しかし、その繁栄は長くは続かない。
流川桃々は二十七歳という若さでこの世を去る。
桃々の死後、残されたエンジニアたちは誰一人として、彼女の発明した技術、そして「アイギス」を制御することができなかった。
当時の内閣総理大臣は、記者会見の場でこう語る
「人類に、流川桃々の頭脳は早すぎた」
それが、後に人々が「崩壊」と呼ぶ時代の、始まりだった。
地獄の表層で、その日暮らしの少年、景虎は、奇妙なスライム状の生物と出会う。脳を侵食し、身体を乗っ取り、勝手に喋り出す厄介な相棒。
彼らが選んだ生存戦略は——命懸けの「配信」だった。』