あらすじ

街外れの路地に、看板のない店がある。 そこでは、人々が「音」を売り買いしているという。 亡くなった人の声。 子どもの頃に聞いた雨音。 二度と戻らない、ありふれた日常の響き。 事故で聴覚を失った娘のため、主人公はその店を訪れる。 「世界で一番、美しい音をください」 そう願った彼女に、店主が差し出した答えは、あまりにも残酷なものだった。 ――世界で最も美しい音とは、「二度と聞けなくなる音」だと。 愛する人のために、何を差し出せるのか。 失って初めて知る価値と、取り戻せない静寂の中で選ばれる、たった一つの音。 これは、手放すことでしか完成しなかった、ひとつの愛の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/05
  • 現在の作品二度と聞かなくなる音