あらすじ
親友は、突然この世を去った。
「いつか空を飛ぶ」と笑っていた彼女は、その言葉通り空へ手を伸ばし、そして戻らなかった。
取り残された「私」は、約束を破られた怒りと、置き去りにされた喪失感を抱えたまま日々を過ごしていた。
そんなある日、亡くなったはずの親友から一通の手紙が届く。
そこに書かれていたのは、思い出の場所を巡る“宝探し”の提案だった。
導かれるままに訪れる公園、通学路、かつて二人だけの世界だった場所。
手紙に残された無邪気な言葉と記憶の欠片は、忘れようとしていた感情を静かに呼び起こしていく。
死んでもなお、親友は「私」を振り回す。
それでも最後まで付き合うと決めた先で、「私」は理解する。
光を失っても、人は生きていかなければならないのだと。
これは、逃げてしまった者と、残された者の物語。
そして、忘れられない別れとともに、それでも前へ進むための小さな決別の記録である。