あらすじ
人が強い感情を失うと、
その土地や物の「色」が褪せていく世界。
戦争、差別、喪失、後悔。
取り戻せない想いが積み重なり、世界は静かに色を失っていた。
少女ルーミアは、
人の感情を「色のある糸」として視ることができる
ただ一人の〈色糸魔導士〉。
彼女はその力で、
人の想いを布や手紙に編み込み、
わずかに世界の色を取り戻していく。
――だが、代償があった。
誰かの感情を編むほど、
彼女自身の感情は少しずつ薄れていく。
そして、自分の感情だけは、決して視ることができない。
「救うこと」が正解なのか。
「語ること」は、誰かを傷つけないのか。
沈黙は、逃げなのか、それとも選択なのか。
旅の中でルーミアは、
次第に“世界を救わない”という選択に辿り着く。
導かず、裁かず、答えを与えない。
ただ、奪われた声と、選ばれた沈黙を見届ける者として。
色を失いながら、それでも歩き続けた少女が、
最後に紡ぐものとは――。
これは、
世界を救わなかった魔導士が、
それでも「生きていい」と認めるまでの物語。
※長編を予定しています。
※サムネ画像は作者のイメージ維持のため仮置きしてます。良いイラストができた場合に差し替え予定