あらすじ
幕末の京都。血で血を洗う動乱の時代。
会津藩士の娘・小夜(さよ)は、家名を救うため、心を殺して遊女「夕顔」となり、ある男の懐へと潜り込んだ。
標的は、長州藩の切れ者志士・葛城(かつらぎ)塔馬(とうま)。
会津にとって憎き敵であり、冷徹な策士と恐れられる男。
小夜の使命はただ一つ。彼を油断させ、その喉笛を毒の仕込まれた簪(かんざし)で突き、暗殺すること。
しかし――葛城は、小夜が刺客であることを最初から見抜いていた。
その上で彼は、小夜を遊郭から身請けするかのごとく、あろうことか「愛妻」のように甘く、優しく囲い込んだのだ。
「君になら殺されてもいい。……だが、今夜はまだ離さない」
簪を向けるたびに注がれる、狂気じみた溺愛。
冷え切った小夜の心を溶かす、温かな体温。
任務と愛の間で揺れ動く小夜に、やがて会津藩からの非情な「最後通牒」が届く。
時を同じくして、京の町を焼き尽くす戦火が迫っていた。
「殺す」か「殺される」か。
それとも、二人で歴史を欺き、地獄の果てまで逃げるのか。
これは、歴史書には残らなかった名もなき男女の、真実の愛の物語。
会津の誇りと長州の夢、すべてを捨てて「ただの夫婦」になろうとした二人の、命懸けの逃避行。
【本作の要素】
・幕末/明治維新
・身分差/敵対関係
・溺愛/スパダリ
・シークレットハッピーエンド(生存ルート)
・切ない/泣ける/ハラハラドキドキ
歴史の影に埋もれた悲恋……と思いきや、読後感は温かい救済の物語です。
「禁断の恋」や「運命のいたずら」がお好きな方、そして何より「たとえ歴史を敵に回しても、ヒロインだけは守り抜く」という強い男性像がお好きな方に捧げます。
全10話完結。
雪解けの春のようなラストシーンを、ぜひ見届けてください。