あらすじ
「カノン、貴様は今日もそんな薄汚い布を握りしめているのか。……まずは、自分自身を磨くところから始めたらどうだ?」
魔導研磨師のカノンは、婚約者である第三王子エグゼリアスから、冷酷な言葉と共に婚約破棄を突きつけられる。
彼女が日々、王宮の聖剣や宝具を陰ながら磨き上げ、その魔力を維持していたことなど、王子は露ほども知らなかったのだ。
「煤けた石ころ」と蔑まれ、着の身着のまま追放されたカノン。
しかし、彼女は絶望するどころか、晴れやかな気分でいた。
(……これでようやく、心ゆくまで磨くことに没頭できるわ!)
王都の西の端、ボロ家を借りた彼女は、職人魂を爆発させて自分自身と店を「磨き直し」始めるーー