あらすじ
スクールカウンセラーの牧野七星は、
学校で「問題が起きていないこと」を記録する役目を担っている。
相談に来る生徒はいる。
会議も行われる。
規則も、前例も、善意も揃っている。
それでも、何かが少しずつ抜け落ちていく。
みゆきは、特別な問題を抱えているわけではない。
欠席が続くわけでも、反抗的でもない。
ただ、誰も「今すぐ守る理由」を見つけられなかった。
この物語に、明確な加害者はいない。
怒鳴る大人も、暴力も、劇的な事件も起こらない。
あるのは、正しい判断と、穏やかな対応と、
誰も責任を取りきらなかった時間だけだ。
最低だったのは、無関心ではない。
正しさを重ねた結果だった。
静かに進み、静かに残る物語。