あらすじ
私には価値がないと、そう思い込んでいた。
身に覚えのない罪で婚約を破棄され、家を追放された雨の日。
行き場を失った私に手を差し伸べたのは、かつて実家で教育係を務めていた元執事だった。
再会した彼は、王家すら頭を下げる大商会の主となっていた。
提示されたのは、使用人としての雇用契約と、最高の設備が整った工房。
そして、誰もが見向きもしない「廃棄魔石」の山だった。
かつて見下ろされていた立場から、絶対的な主従関係への逆転。
冷徹な商売人となった彼は、なぜか私に過保護なほどの執着を見せ、私の技術を不当に扱う者たちを容赦なく追い詰めていく。
ゴミ同然の石から生み出された熱は、やがて凍えた国を変えていくのか。
そして、彼が私を拾った本当の理由とは、一体何だったのか。