あらすじ

ダンジョンマスターになって十年。 世界樹そのものをダンジョンへと創り変えたドライアドの少女は、ひとつの結論に至っていた。 「飽きた」 罠も地形も魔物配置も、やれることは全部やった。 理想通りに、細部までこだわり抜いて作り上げた。 だが、致命的な問題がある。 ——誰も来ない。 この世界樹は森の奥深く、人の領域から遠く隔絶された場所にある。 さらに、侵入者を拒む環境そのものが天然の選別装置となり、挑戦者は辿り着く前に消えることだろう。 結果。 手間も情熱も注ぎ込んだダンジョンは、誰にも使われないまま完成してしまった。 退屈をこじらせたダンジョンの主は、愛しい無表情メイドを引き連れ、ついに決断する。 「外、行こうぜ」 十年ぶりの人里。 いまの人間たちはどれほど発展しているのか。 このダンジョンに見合う挑戦者はいるのか。 知らない料理、知らない文化、知らない遊びは増えているのか。 この世界は、いまの自分を満たしてくれるだろうか。 そして―― 彼女が歩いた軌跡に合わせるように、 静かに、徐々に、ダンジョンの領域は広がっていく。 これは、 創造し尽くしてしまった存在が、 旅と出会いの中で“次の創造へと繋がる新たな刺激”を集めていく物語。 ダンジョンは拡張する。 世界は巻き込まれる。 物語もまた、彼女の気まぐれと共に広がっていく見切り発車型である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/04
  • 現在の作品運命の糸は赤くない