あらすじ
転生して森の診療所で働くエルフのリィネは、腕は確かなのに休めない人間の医師カイと、我慢を当たり前にする村の空気に違和感を抱いていた。軽い不調を放置し、限界まで悪化してから来院する患者たち。診療所はいつも急に忙しくなり、休憩は後回しになる。
ある日、木こりのヨハンが高熱と脱水で担ぎ込まれる。「休んだら迷惑になる」と帰ろうとする彼に、リィネは生活魔法で呼吸と体温を整えながら告げる。休むのは甘えではなく、回復のための“手順”だと。さらに、限界を迎えていたカイ自身にも休むことを促し、診療所に「休養札」「交代札」「短い休憩の鐘」を導入する。
小さな札と合図が、頑張りすぎる人たちの肩の力をほどいていく。森の木漏れ日に包まれながら、診療所は“治す場所”から“回復する場所”へ少しずつ変わっていく。