あらすじ
気分の良い日に散歩をするのが習慣の「僕」は、小さな親切や善行を重ねることで、世界と優しく繋がっている実感を得ていた。落ちているゴミを拾い、困っている人に声をかける。その積み重ねは、やがて彼にとって生きる意味そのものになっていく。
しかし、善意は少しずつ形を変えていく。
“誰かのため”だったはずの行為は、“正しさ”を証明する行為へとすり替わり、彼の内側で静かに熱を帯び始める。
これは、善意と正義の境界が揺らぐとき、人はどこへ向かうのかを描いた物語。
その一歩は、ほんのささやかな気持ちから始まる。