あらすじ
____私には幸福になる権利がある。だから、何をしてでも幸福になる。
甘くて苦い毒は少女に未来を知らしめた
テトラ・インヘリットは泣きじゃくる双子の弟と、口から吐いた赤い液体に“わたし”を思い出した。
オープンワールド系RPGゲーム“忌み物グリムと妖精物語”の主人公は、やがて至る結末で厄災と魔王を打ち倒す勇者だ。その幼少時代、たった1人だけそばにいた双子の姉を失い、孤独に育てられた英雄。
テトラ・インヘリットは“本来ならば”絶望に踏み躙られ、双子の弟を捨てるように姿を眩まし生き別れになる。そしてその果てに勇者の敵として、ゲームにおける中ボスとして現れるはずのキャラクターだった。そのはずだっな。
けれど“わたし”の記憶を思い出したテトラは大切で、大好きで、ほんの少し憎らしくて、結局は愛している片割れを置いていくことができなかった。
だからテトラは運命の日、物語など始まらなくて良かったから片割れを置いていかなかった。
___この世界はゲームだ。
だから、私は何よりも、どんなことをしてでも、幸せになりたかった。