あらすじ

童貞・・・それは死に至る病である。 客観的かつ論理的に話を始めよう。 統計学的にみて男性における最も大きな短命因子とは《《独身》》である、と。 識者達の間では、これは既に定説となっている。 その病魔に冒されし者は、2次元世界の甘い夢の中に閉じ籠って現実を顧みなくなり、閉ざされた部屋のなかで孤独のうちに久しい時と精力を使い潰してしまう。 青春期を虚しい妄想の中に閉じこもり、壮年期も惰性のまま無為に過ごしてしまい・・・そして人生の秋を迎えた時、これまでの不摂生がたたって早々に孤独死を迎える運命《さだめ》となる。隣人の実りを横目で見ながら・・・長年積み立ててきた年金を受け取ることもなく・・・。 そういった未来が確定的に明らか。 周りの人々は彼の事を、「甲斐性も無いアブナイ奴」「臭くてキモい野郎」などと敬遠する。 社会や会社は、「嫁や子供もおらんのに福利厚生なんぞ考えんでもええやろ」と彼の事を無視する。 いや、政府すら「次世代形成への生産性がまったく期待できない問題児」と分類しているのである。 そして彼自身は「リア充、爆発しろ」と呪詛を吐いてみたりもするのであるが・・・ただただ虚しい。その心のうちには「命の輪廻に何ら貢献する事も無き無駄な生涯、サッサとタヒね」との、神の冷《さ》めた言葉が響いているから。 これは、その宿痾に囚われた一人の男が《《究極のお姉さん》》と共に、愛を求めて異世界を彷徨《さまよ》うという・・・魂の慟哭せる物語である。 都留《つる》宏海《ひろみ》37才童貞は、いつもの様に仮想世界《MMORPG》にどっぷりとつかっていたが、究極のお姉さんキャラとともに異世界へ逝ってしまう。が、なんと彼女は神託の巫女という勇者の一人であったのだ。彼は問う「俺にも人生の春が巡るであろうか」と・・・ならば曰く「あなたには無限の可能性がある。この世界を救うのだ」と。

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カクヨム
カクヨム2026/02/03
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