あらすじ

クラスでは目立たない存在の高校生・俺は、 ある日、学年一の人気者で“鉄仮面”と噂される女子――白石の口から、 聞き覚えのある名前を耳にする。 「ユイはズルいな……」 その二文字を聞いた瞬間、胸の奥がざわついた。 理由は分からない。 けれど、忘れていたはずの光景が、断片的に頭をよぎる。 その夜、昔よく遊んでいたゲームを起動した俺は、 ロード画面に表示されたプレイヤー名を見て言葉を失う。 ――ユイ。 それは、白石が口にした名前であり、 かつて俺自身がつけた、主人公の名前だった。 翌日、衝動のまま白石にそのことを告げた瞬間、 教室の空気が一変する。 時間が引き延ばされたような感覚と、 白石の瞳に映る、歪んでいく自分の姿。 それ以来、俺と白石の距離は微妙に変わり始めた。 放課後の図書館。 制服を脱いだ白石は、噂とは違う、不器用で普通の女の子だった。 そして彼女は、俺しか知らないはずの“ユイが主人公のゲーム”を知っていた。 忘れているはずの記憶。 共有しているはずのない名前。 過去と現在が静かに噛み合い始める中で、 俺と白石は、互いの距離と心の正体に触れていく。 これは、 思い出せない「名前」から始まる、 少し不思議で、どこまでも現実的な学園恋愛譚。

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カクヨム
カクヨム2026/02/03
  • 現在の作品君だけが俺をユイと呼ぶ