あらすじ
🏺🌊《塔内日常》あらすじ
塔の中には、河が流れている。
誰が造ったのか分からない塔。
いつからそこにあるのかも分からない。
ある朝、掲示板に一行だけ書かれていた。
「……河の墓は古墳がいいな」
その日、塔の外の大地がゆっくりと盛り上がり、
土の中からハニワーが生えた。
それから。
雪は文字になり、
雹は鬼と呼ばれ、
供物はいつのまにか祭りになる。
「ぺい」としか話さないハニワーたちは、
消える形をなぞり、
流れを並べ、
欠けたものを積み上げていく。
誰も文明を作ろうとはしていない。
それでも塔では、なにかが静かに生まれつづけている。
これは、
流れに耳をすます人たちと、
土でできた小さな存在たちの、
すこしだけ不思議な日常の記録。