あらすじ
「登場人物」
相沢 廻(あいざわ めぐり)
本作の主人公。
幼馴染である結衣の笑顔を守るため、右目の能力で時間を「1秒」だけやり直す契約を交わした少年。
やり直しの代償として、味覚、触覚、嗅覚、聴覚、視覚、そして最後には「声」までも失った。
現在は物理的な実体さえも希薄になっており、鏡に映らず、他者からも認識されない「生きる幽霊」と化している。
ただ、彼女が笑うその瞬間のために、彼は自らという人間を切り売りし続けている。
結衣(ゆい)
本作のヒロイン。
廻の幼馴染であり、彼がすべてを捧げて守ろうとしている唯一の存在。
世界というシステムから廻の存在が消去されていく中で、唯一彼を「観測」し続けられる特別な一人。
周囲には見えない「廻」に向かって語りかけ、虚空を抱きしめるその姿は、傍目には狂気に陥った少女のように映っている。
彼が失ったものの重さを知らないまま、それでも消えゆく彼の温もりを必死に繋ぎ止めようとしている。
奏(かなで)
銀色の髪を持つ、正体不明の少女。
廻が捨て去った「死んだ時間」を銀色のノートに回収し、彼にさらなる代償とやり直しを迫る観測者。
感情を排した冷徹な言葉で廻を追い詰めるが、その目的や出自は一切が謎に包まれている。
彼女だけは、世界から消えかけた廻の「データ」を完全に認識しており、彼が破滅へ向かう過程を特等席で楽しんでいる。