あらすじ
直したものが、すべて規格外の性能になってしまう異常性に、私だけが気づいていなかった。
勇者パーティの装備管理を一手に引き受けていた付与術師のリゼット。
けれど彼女のスキル『修繕』は地味で役立たずだと蔑まれ、婚約破棄と共に危険な未開の森へと追放されてしまう。
生き延びるために逃げ込んだ廃墟で、彼女はただ快適に眠るためにスキルを使う。
すると朽ち果てていた屋敷は難攻不落の要塞へ、荒れ地は豊穣の庭へと変貌を遂げた。
さらに、庭で倒れていた瀕死のトカゲを「修理」したところ、その正体は伝説の厄災と呼ばれる最強のドラゴンで――。
「貴様が直したこの寝床、悪くない」
人間嫌いなはずの竜に気に入られ、精霊や幻獣まで集まり始めた彼女の新しい生活。
一方、リゼットを追い出した勇者たちは、武器が折れ、鎧が錆びつき、急速に名声を失っていく。
捨てられたはずの彼女が手にするのは、単なる平穏か、それとも国さえ凌ぐ巨大な居場所か。