あらすじ
――ん? ほう、AIの音声ガイド付きか……。
男はレジ近くの張り紙をじっと見つめ、胸の内でそう呟いた。
少し背伸びをして、有人レジとセルフレジを見比べる。有人レジには店員が一人きりで、かごを手に下げた客が静かに列を作っていた。対して、セルフレジは四台のうち二台が空いている。
セルフレジの導入が進んでいるという話は、テレビのニュースや新聞で何度も目にしていた。だが実際に使ったのは、これまで数えるほどしかない。しかも、このスーパーに来るのは今日が初めてだ。しかし、音声ガイド付きなら心強い。機械操作が苦手な自分でも、なんとかなりそうだ。
そう思い、男は小さく「よし」と呟き、セルフレジへ向かった。