あらすじ
突然目まいに襲われた私は、民子との約束を反故にして病院に駆け込んだ。ペースメーカー植え込みの原因となった心不全とは違う、より質の悪い別の疾患? との疑いを抱きつつにタクシーを飛ばした。結果は耳に関する疾患だということになり、ひと安心した。ひと月前の植え込み手術後の悪友二人の見舞い時を思いだし、人との繋がりを感謝した。そして今日の診察では民子の介添えを受けて、ずっとずっと昔、痛み出した虫歯に泣いている私を優しく抱いて「痛いの痛いの、飛んでけえー!」と声をかけてくれた、あの…思い出したくない人と同じ感覚に襲われた。そしてほぼ半世紀ぶりになるだろう公園にやってきた。そこで、中学二年の冬の出来事を思い出した……。