あらすじ
伯爵令嬢のディアには、家同士で決まった婚約者のロベルがいた。ロベルの整った顔立ちと優しい性格は王都の社交界でも有名で、彼を慕う令嬢は多い。ディアも幼い頃にロベルに助けてもらったことがあり、政略結婚とはいえ愛ある関係になることを夢見ている。
しかし、いつしかロベルに適当にあしらわれるようになったことに寂しさを感じ始めていた矢先、婚約者同伴のはずのパーティーに一人で向かったディアを待ち受けていたのは、男爵令嬢のレイラをパートナーとして現れたロベル。
レイラにはここに自分以外の知り合いがおらず、一人では心細いと言うので、今日は一緒にいてあげることにしたと言う彼。それに苦言を呈したディアに、ロベルは悪びれることなく宣う。
「君はレイラ嬢が可哀そうだとは思わないの? 君がそんなに冷たい人だとは思わなかったよ」
その後も度重なるロベルの心無い仕打ちは続き、遂に耐えきれなくなったディアは婚約解消を申し出る。
そしてロベルと決別した後に舞い込んできたのは、冷血公爵とあだ名される公爵との婚約話。
魔物を残酷に切り刻んだり、盾突く家臣をその場で斬り捨てたりする冷酷な人物と恐れられている公爵との縁談は、何人もの令嬢が恐れをなして断ったと聞く。だが、ディアはある理由からその婚約を承諾する。
実はディアロッテには、家族にしか知られていない秘密の能力があるのだが、それが公爵が仇とする能力であるとは知らぬまま、公爵領へと向かう。
ディアがたどり着く先にあるのは、公爵の仇として殺される運命なのか……。