あらすじ
王女アイリスは、街のバザーに憧れていた。護衛見習いのジョルディアスと密約を交わし、翌朝こっそり城を抜け出す。
道中、困っている人々を助けながら辿り着いたバザーは、世界中の品々と笑顔で溢れていた。善政が敷かれた平和な王国の証。
しかし、楽しい時間の裏で、商人たちは囁く。「北の帝国が侵攻を始めた」「今のうちに、この平和を楽しんでおけ」——。
夕暮れ、約束を破って遅く帰った二人を侍従長が待っていた。全てを知りながら見守っていた彼の前で、二人は一緒に叱られる覚悟を決める。
六歳の少年少女が過ごした小さな冒険の日。それは、失われゆく平和の最後の輝きだった。