あらすじ
元伝説のパーティの超級魔導師 × 異世界転生していると主張する貴族の娘。
とある冒険者ギルドの掲示板に、一枚の求人が貼られていた。
「【高時給400ゴールド】冒険者急募!/住み込み/経験者優遇」。
1Gはパンをひとつ買える程度の値段である。
それを400、しかも時給という不自然な高報酬仕事は、誰もに敬遠されていた。
しかし、その求人を手に取る男がいた。
特徴的な顔のその男は、23時という深夜でも構わず「面接」に向かう。
それほどに彼は金がないのだった。仕事を選ぶ余裕などないほどに。
面接しに行った先には一人の少女がいた。セレナ・シャルロッテ。
元貴族の子女である金髪翠眼美少女から、男は問われる。
「ヴァイス・エレクトリカさん?」と。
ヴァイス・エレクトリカ。魔王を倒し全滅したとされる伝説のパーティ出身の「超級魔導師」――今は住所不定無職、ほとんど一文無し、そして顔の七割に大火傷を負った男である。
そんな彼女は、面接でこういった。
「私、実は日本……地球っていう場所から異世界転生してるんです」
「……随分な妄想家なんですね」
「妄想じゃないですから!! ぜんぶほんとなんですから!!」
「――探したい人がいるんです」
そのために求人を出したという、彼女の捜し人。
彼女をこの世界に転生させたという者。
それはヴァイスが確かに殺したはずの、
「どこかに生きているはずの――魔王を」
探し出して殺すためだと彼女は言う。
彼女が生まれた故郷に帰るため。