あらすじ
「――さようなら、大好きだった人」
伯爵令嬢ソフィアは、婚約者エリックから冷たくされ続けていた。
かつては誰より優しかった彼は、いまや妹シャーロットにだけ微笑み、ソフィアには冷たい視線を向けるだけだった。
――もう、私の居場所はないのね。
そんなある日、シャーロットに持ち上がったのは――冷酷と恐れられる辺境伯レオナルドとの縁談。
涙ながらに拒む妹の代わりに、ソフィアは嫁ぐことを決意をした。
辿り着いた辺境の地で待っていたのは、無口で鋭い瞳をした若き領主。
どこか突き放すような態度に、胸の奥がひどく痛んだ――が。
熱に浮かされた夜、彼がそっと差し伸べた手の温もりは、誰より優しかった。
「嫁いだ身でありながら、まだ、癖のように……前の婚約者の事を考えてしまって……」
「俺たちはまだ出会ったばかりだ。焦る必要はない。
少しずつでいい……いつか――愛し、愛される関係になれたら……」
交わした言葉をきっかけに、ふたりの距離はゆっくり、確かに近づいていく。
少しずつ、確かに、心を通わせていき――いつしか二人の間には愛が芽生える。
しかし、刻一刻と大きな脅威が辺境伯に迫っていて――
一方その頃、エリックはようやく気づく。
失ったのは、決して取り戻せないほど大切な人だったのだと。
30話で完結済。
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