あらすじ
東ノ都が堕ちたのは、ひとつの戦によってではなかった。
それは、いつの間にか――そうとしか言いようのない形で始まっていた。
人々は、便利なものを手に入れた。
戦に疲れた国は、血を流さずに敵を退ける術を求め、人の代わりに刃を振るう“もの”を受け入れた。
最初は、守りのためだった。
次に、抑止のため。
やがて、それは祈りと混ざり、信仰となり、疑う者はいなくなった。
誰が作ったのか
誰が始めたのか
その問いは、いつしか意味を失った。
ただ一つ確かなのは、それらは人の想いを喰らって育ったということだけだ。
戦が終わり、都が移り、人々が安堵の息をついたその裏で、“仕組み”だけが残された。
封じるための儀
守るための生贄
穢れを集めるための器。
それらは、誰かの強い意思によって精緻に組み上げられていたが――
その意思の行き先を知る者はいない。
ただ、傀儡が増え続けている。
ただ、呪は東へと集まっている。
ただ、夜の奥で、何かが目覚めつつある。
それを止めようとする剣士たちは、敵の名も、顔も、目的も知らぬまま、ひとつずつ“結び目”を断っていく。
やがて辿り着く先に、答えがあるのか、あるいは――
最初から、答えなど用意されていないのか。
夜は、まだ明けない。