あらすじ
「君が公爵を誘惑したと聞いた。婚約は破棄だ」
突然の宣告。私を陥れたのは、幼馴染のオルテンシアだった。
嘘だ。誘惑などしていない。
むしろ半年前から、公爵様の方が私に手紙を送り続けていた。
けれど誰も信じない。
「子爵令嬢が公爵を誘惑した」という噂は、すでに社交界を駆け巡っている。
なら、証明するしかない。
私は薬師見習い。母の形見の処方箋を取り戻すためにも、この濡れ衣を晴らす。
王妃主催の夜会。
満座の貴族たちの前で、私は真実を突きつける。
そのとき、あの冷徹な公爵が動いた。
封蝋付きの書簡の束を手に。
「半年分の求婚状だ。誘惑されたのは俺の方だと、これで分かるだろう」
そして彼は、跪いた。