あらすじ
重い病を患い、治療法が見つかる未来を信じてコールドスリープを選んだ、平凡な大学生の「俺」。
だが目を覚ました先は、遠い未来の企業管理施設だった。
生き延びた代償は、あまりにも大きい。
俺の脳は、大企業の令嬢――事故で脳死した少女の“生身の強化人体”へと移植されていたのだ。
拒否権はない。
元の人生は失われ、名前すら記録に残らない。
社会は俺を「奇跡的に回復した令嬢」として扱い、企業はその身体を資産として管理する。
男の意識のまま、絶世の美少女の身体で生きることになった俺は、
未来社会の合理と、自分の存在価値の狭間で揺れながら問い続ける。
――生き延びたのは、いったい誰だったのか。
これは、救われなかった延命の先で、
それでも「生きている」と言い張ろうとする、一人の人間の短い物語。