あらすじ
時空戦記ゼロ:プロローグ —始まりの秒針—
1. 消失した25時
西暦2045年。世界中の時計がいっせいに「24時59分60秒」を指したまま停止した。
世に言う「ロスト・セカンド(消失の秒)」事件である。
その1秒間、世界からすべての光が消え、人々は記憶の断片をバーカル団に奪われた。
警視庁の若き捜査官、猪狩 嶺二は、その1秒間の中に「存在」していた唯一の人間だった。暗闇の中で彼が見たのは、歯車に覆われた不気味な城と、燃え盛る未来の光景。
「……今のは、なんだ?」
日常に戻ったはずの嶺二の左手首には、決して外れない銀色の火傷跡のようなアザが刻まれていた。
2. タイム・ガーディアンの接触
混乱する嶺二の前に現れたのが、天野 綾香だった。
彼女は「タイム・ガーディアン」という、歴史の観測者が所属する超時空組織のエージェント。
「あなたのそのアザ、それはバーカル団が歴史を喰らった際に生じた『時の傷跡』よ。それを持つ者だけが、止まった時間の中で動ける……『ゼロの適性』を持っているの。」
彼女は嶺二を、時空の狭間を走る列車**「テンプス・ライナー」**へと案内する。そこには、過去から未来まで、あらゆる時代の遺物が保管されていた。
3. 帝王ガールダの宣戦布告
テンプス・ライナーのモニターが突如ジャックされ、漆黒の玉座に座る帝王ガールダが姿を現す。
「人類よ、時間は有限ゆえに苦しみを生む。ならば私が、全宇宙の時間を私の支配下で『静止』させてやろう。過去も未来も、私が望む一瞬に書き換えるのだ。」
ガールダの号令と共に、三人の幹部——ザルダ、メイダ、ジルダが、それぞれの時代へ向けて出撃していった。
4. 「0」からのスタート
「歴史が変われば、今ここにいる私たちが消えてしまう。お願い、猪狩嶺二。あなたの力を貸して。」
綾香から手渡されたのは、未完成のシステム「クロノス・ドライバー」。
嶺二はアザの刻まれた左手をドライバーに重ねる。
「……未来がどうとか、歴史がどうとかは知らん。だが、勝手に人の時間を止める奴らが気に入らないだけだ。」
その瞬間、ドライバーの針が高速回転を始め、「0」の地点でピタリと止まった。
静寂を切り裂く、新たな鼓動の始まり。
これが、時空戦士ゼロ誕生の前日譚である。