あらすじ
伯爵令嬢マルティナは、王太子ノアから一方的に婚約を解かれ、その場を静かに去った。
新たに王太子の婚約者となった公爵令嬢カリナは、「愛されている証」としてノアの名を使い、宝石や衣装を次々と手配するが、ノアはそれを愛情だとして止めなかった。
やがて浪費は歯止めを失い、ノア自身が国庫に手を付けたことが明るみに出る。
結果として、カリナは拘束され、ノアは廃太子となった。
しかし、マルティナはその一連の出来事に一切関わらず、何も知らないまま日常を生きていた。
すべてが終わったあとで、ただ事実として聞かされただけだった。
混乱の中心から距離を保ち続けた彼女は、伯爵令嬢としての義務を果たすため、新たな縁談を受け入れる。
それは恋でも救済でもなく、静かに自分の席へ戻る選択だった。