あらすじ
高校生のアオイは、ある日突然、クラスメイトではない少女と共に異世界へ召喚されてしまう。少女は「聖女」として歓迎されるが、アオイはただの巻き添えだと判明し、城では厄介者として扱われる。戻る術も与えられず、城の隅に追いやられたアオイは、使用人たちからの冷遇や陰湿ないじめに耐える日々を送ることになる。
ある日、食事を粗末に扱われていたところを巡回中の騎士団長カイルに助けられたことをきっかけに、アオイの運命は少しずつ動き出す。感謝の気持ちを伝えたい一心で、限られた材料を使い手作りのお菓子を騎士団へ届けると、騎士たちは戸惑いながらも次第にアオイに心を開いていく。騎士団の中で居場所を得ていく一方で、聖女や城の人々からの視線は徐々に険しさを増していった。
実はアオイには、自覚のない特別な魔法の才能があった。それは人の感情に共鳴し、悪意や攻撃的な魔法を和らげ、守る方向へと作用する「感情共鳴魔法」。戦いや対立が激化する中でその力は明らかになり、聖女以上に“守る存在”として注目されていく。
不憫な過去と優しすぎる性格ゆえに傷つきながらも、騎士団の面々から大切にされ、次第に独占欲や嫉妬を向けられるようになるアオイ。嫌われていたはずの少年は、いつしか騎士団にとって欠かせない存在となり、「もう二度と独りにはさせない」という誓いのもと、溺愛され守られていく――そんな異世界BLファンタジー。