あらすじ
ブラック企業に勤める二十四歳の会社員・早瀬美琴は、深夜残業と酒に潰れた翌朝、
崩壊した街で目を覚ます。
人の姿はどこにもなく、街には血痕と破壊の痕跡だけが残されていた。
通信は途絶え、社会は完全に機能を失っている。
それでもしばらくの間、早瀬はそれを「現実から解放された世界」だと思い込もうとする。
だが、静けさの裏には確かな異常があった。
――人だったものが、街を彷徨っている。
教会で出会ったのは、調査目的で街に入り込んでいた謎めいた女性、志水凛。
冷静で理知的、だがどこか年不相応な落ち着きを持つ彼女は、
この世界が単なる災害ではなく、説明のつかない“変質”を遂げていることを知っていた。
早瀬は志水と行動を共にし、初めて“それ”と対峙する。
逃げ、震え、命からがら生き延びる中で、
彼はようやく理解し始める――
この世界では、「普通に生きていた人間」はもう存在しないのだと。
街の異常の中心にあるのは、巨大な病院。
そこには、ゾンビが集まり、何かを待っているかのような不気味な静寂があった。
生き延びるために協力する二人。
だが、病院へ近づくにつれ、世界はさらに歪みを増していく。
そして物語は、
この災害によって生まれた**“謎の少女”**との出会いへと向かっていく――。
それが希望なのか、
それとも新たな終わりの始まりなのかは、まだ誰にもわからない。