あらすじ
朝、弁当を作っていたはずの母親が、
気づけば異世界の森に立っていることもある。
鍋を抱えたまま。
そんな日もあるよね。
出会ったのは、
まだ弱く、まだ危うい勇者一行。
スライムに負ける程度には未熟で、
世界を救うには、生活が足りていなかった。
母は剣を振らない。
魔法も使わない。
するのは、食事を作ること。
眠らせること。
無理をさせないこと。
それだけで、勇者たちは強くなっていく。
本人はスローライフのつもりのまま。
やがて訪れる、帰還の選択。
異世界に残る理由と、
現実に戻らなければならない理由。
その狭間で母が思い浮かべるのは、
ただ一人、現実に置いてきた息子の顔だった。
これは、
世界を救う話ではない。
生活を回し続けた結果、
ついでに世界が救われてしまった話だ。
スーパーへ向かいながら、
ふと口をついて出る一言。
「回復薬、買ってこよ」
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普段はダークファンタジーギャグや人外系の創作をしています。
今回は、人気ジャンルへの試みとして異世界転生ものに挑戦しました。