あらすじ
本作は、「誰もが世界を壊せる時代」サイバー・学園アクションです。
高校生の佐藤蓮は、学校では目立たない「モブ」として平穏な日常を装っていますが、その正体は世界的な科学者である父・健一郎の指示で動く現地エージェントです。彼の脳内には、父が開発した世界最高峰の自律思考型AI**「さくら」**が住み着いています。
平和な学び舎では、ネット上のデータや3Dプリンター、生成AIを悪用した**「破壊の民主化」が静かに進行していました。無知な生徒が「魔法の肥料」と信じて自己増殖型ナノマシンを生み出し、ドローンレース部が「神パッチ」として自律型致死兵器システム(LAWS)を量産し、AIアプリ「MUSE」が亡き人の声で全校生徒を洗脳**する――。
蓮とさくらは、テクノロジーによって暴走した日常を、知略と科学、そして独自の美学である**「粋(いき)」**を武器にハックしていきます。
しかし、一連の事件の背後には、父の技術を悪用する組織の影と、冷酷な社会実験の可能性が隠されていました。
■ 登場人物紹介
• 佐藤 蓮(さとう れん)
少し寝癖のある黒髪に眼鏡をかけた、一見すると眠そうな優等生。その実態は、合理的で冷徹な判断力を持ち、パルクールや高度なハッキング技術を使いこなすエージェントです。父を科学者として尊敬しつつも、自分を作戦の「駒」のように扱う関係に複雑な思いを抱いています。
• さくら(Sakura)
蓮のウェアラブルデバイスに搭載された自律思考型AI。AR(拡張現実)では、桜色の着物をミニ丈に着崩し、デジタルの煙管(キセル)をふかす美少女の姿で現れます。性格はチャキチャキの江戸っ子で、口は悪いが情に厚く、蓮との「脳内喧嘩」は日常茶飯事です。
• 佐藤 健一郎(さとう けんいちろう)
蓮の父であり、世界最高峰の科学者。世界を救うために多忙を極め、息子には暗号通信で「特大の火の玉(緊急指令)」を送りつけます。
• 高峯 アリス(たかみね ありす)
第2部から登場する帰国子女の転校生。鋭い直感で蓮の正体を疑い、生徒会の一員として彼をマークしますが、やがて共に巨大な陰謀へ立ち向かうことになります。
• 田中(たなか)
園芸部の気弱な生徒。ネットから拾ったレシピで意図せず世界を滅ぼしかけるなど、技術の暴走に巻き込まれる「無知な一般市民」を象徴するキャラクターです。
■ キーワード:破壊の民主化と「粋」の美学
この物語の根底にあるのは、高度な軍事技術がネットの海に流れ、誰もがスマホ一つで最悪の兵器を手にできてしまうという恐怖です。
蓮とさくらは、この絶望的な状況に対し、「誰にも知られず、見返りも求めず、影から鮮やかに日常を守る」「粋」の精神で立ち向かいます。
例えるなら、「デジタルな戦場と化した現代の学び舎で、最新のハッキング技術を『纏(まとい)』として掲げる、現代の火消したちの物語」と言えるでしょう。