あらすじ

小学六年生の美里裕は、自分は勉強が苦手だと思っている。成績が極端に悪いわけではないが、クラスにはもっとできる子がいて、自然と自信をなくしていた。将来について聞かれても実感はなく、配信者やユーチューバーといった言葉を気楽に思い浮かべる一方で、心の奥には小さな不安を抱えている。 学校では、先生や友だちが「中学」「将来」「進路」といった言葉を口にするが、裕にはどれも遠い話に感じられる。「勉強は何のためにするのか」という疑問を持つものの、はっきりした答えは見つからない。家族や先生の言葉は正しく聞こえるが、どこか心に引っかからない。 そんなある日、裕は偶然見たユーチュウバーの動画で、「勉強は答えを覚えることではなく、考える練習だ」という言葉に出会う。その言葉は、裕の中に少しずつ変化を起こす。買い物や授業、日常の出来事の中で「考える」ことを意識し始め、世界の見え方がわずかに変わっていく。 しかし、やる気が続くわけではなく、考えるのがめんどくさい日も訪れる。それでも裕は、以前のようにすべてを投げ出すことはしなくなる。卒業を迎え、将来の夢はまだ決まらないままだが、「考えることをやめない」という小さな決意を胸に、中学へ進んでいく。

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小説を読もう2026/01/11
  • 現在の作品『答えは、まだ出さなくていい』