あらすじ
世界には数多の魔法が存在する。
火、氷、回復、召喚――そして、人々が決して口にしない“禁呪”。
世界を、歴史ごと消し去る終焉魔法。
その唯一の使い手が、
無気力でやる気のない青年――ノクス・エリディオンだった。
彼の魔法《ノクス・エラージオ》は、
回数制限も反動もない、完全無欠の世界消滅魔法。
――ただし、
妹の承認がなければ発動しない。
鍵を握るのは、7歳の妹 ミル=エリディオン。
無邪気で天然、お兄ちゃん大好きな少女。
だがその正体は、
全属性完全適性を持つ、世界そのものの抑止力だった。
魔王軍の侵攻をきっかけに、
「魔法を使え!」と叫ぶ大人たちをよそに、
ノクスは動かない。
なぜなら、
妹が「だめ」と首を振ったから。
――その間に、
ミルが一人で敵軍を制圧してしまうのだから。
この事件をきっかけに、
王女、魔導士、聖女、暗殺者――
それぞれの思惑で、兄妹のもとに集う。
全員が悟る。
「この兄妹、世界より優先度が高い」と。
やがて現れる魔王は、
ノクスの力を“完成された終焉”と称賛する。
そして、その鍵である妹を狙うように
世界を消すか。
妹を守るか。
その答えは、
小さな少女の、柔らかなほっぺキスだった。
これは、
世界最強の兄が、世界よりも妹を選び続ける物語。
終始明るく、
笑えて、
ほのぼのして、
それでも世界の行方だけは、やたらと重い。
――そんな、
「禁呪×兄妹×コメディ」ファンタジー。