あらすじ
目を覚ましたら、私は
エジプト神話で「王殺しの引き金」とされる王弟妃ネフティスになっていた。
しかも――
兄王オリシスと「過ち」を犯した、その翌朝。
このまま史実通りに進めば、
王は殺され、
弟セトは壊れ、
生まれてくる子は歪み、
世界は“正史”として固定されてしまう。
私は歴史好きだ。
正史を消すつもりはない。
出来事も止めない。
ただし――
心まで、史実通りに壊れる必要はない。
王を殺す運命が避けられないなら、
中身を入れ替えればいい。
悪役になる未来が決まっているなら、
壊れない形で引き受けさせればいい。
推し(アヌビス)を不幸にしないため、
私は王宮でいちばん静かな戦争を始める。
これは、
史実では救われなかった人たちの
「気持ちだけを救う」
なんちゃってエジプト神話ファンタジー。