あらすじ
川のそばに、
動物たちが暮らす小さな村がある。
村と外の世界をつなぐのは、
一艘の船だけだ。
船は壊れていない。
オールも、そこにある。
決まりも、計算も、声も、沈黙も、すべて残っている。
それでも、
船は進まなくなった。
この物語には、悪者はいない。
声の大きい者も、
黙っている者も、
続けている者も、
計算している者も、
快適さの中にいる者も、
みな動物たちだ。
それぞれが、
それぞれ正しいことをしている。
ただ、
それらが同時に存在したとき、
船は止まった。
これは、
「なぜ進まなくなったのか」を説明する物語ではない。
進まなくなる前に、何が起きていたのかを描いた寓話だ。
もし、
どこかで見たことのある風景だと感じたなら、
それは偶然ではない。
船は、
今もそこにある。
進むかどうかは、
まだ、決まっていない。