あらすじ
近未来の独裁国家。言葉は抑圧され、沈黙することだけに安寧があった。
だが、ある日、SNSに投稿された一つの小説が世界を揺るがす。署名はない。ただ自由について書かれていた。人々は匿名の作家を『δ』と呼んだ。
地下組織で民主化活動を行うシュミットはδの作品に共鳴し、革命の予兆を感じる。シュミットの恋人アグネスは秘密警察によって逮捕され、行方知れずとなった。
秘密警察に勤める若者ベルフは、体制の下で働きながらも、δの作品に心打たれ葛藤する。
16歳の少女ララは初めて「真実の言葉」に出会った。
そんな中、独裁者ドルフスは命じる。
「δを逮捕せよ」
言葉は拡散し、沈黙は揺らぎ、
血を流さない革命が、静かに始まった。