あらすじ
「朱門(しゅもん)には酒肉臭(しゅにくくさ)い、路には凍死の骨あり――」
あの大戦から八年。 死体の山に埋もれた少年兵は、北の果てからの冥冥(めいめい)たる囁きによって、一縷の**「孤魂野鬼(ここんやき)」**として蘇った。
背中には、戒めのように熱を帯びる「青い蓮」の刺青。 「閔(ミン)」という名の男は、一振りの断刀を手に、人が人を食らう中原の荒野を彷徨う。
向かう先は、人類の希望と謳われる**【永劫の聖都】アレクサンドリア**。 だが、その光り輝く城壁の内側では、貴族たちが玉碗で瓊漿(けいしょう)を啜り、下層の民が割れた碗で泥水を啜る腐敗した「理(ことわり)」が支配していた。
道中で拾ったのは、ガラクタ同然の二人の子どもたち。 そして再会したのは、かつて死体の山から俺を掘り起こした、熟れた桃の如き芳醇な面影を残す聖女――シスター・クレア。
「俺が知っているのは、老兵たちが俺に戦い方を教えたのは、貴様らのような畜生を眺めるためじゃないということだ」