あらすじ
勇者は、魔王と戦い、世界のために死んだ――
そう記録されるはずだった。
王国文書院で働く記録官の俺は、勇者パーティの「戦死報告書」を作成するよう命じられる。
だが、添付された行動ログには、明らかにおかしな記述があった。
勇者は、魔王と戦った後も生きていた。
そして、会話をしていた。
それは、英雄譚として都合が悪すぎる真実だった。
「英雄の死に、説明は必要ない」
そう言われ、真実は消され、記録は整理されていく。
剣も魔法も持たない記録官が、文章だけを武器に、
“書かれた通りに動く世界”に静かに抗い始める――
これは、戦わない主人公が、
世界の嘘を記録し続ける物語。