あらすじ
ヨーロッパの古都の片隅に、奇妙な美術館がある。
Museum of the Unfinished——未完の美術館。
そこに展示されているのは、すべて「未完成のまま放棄された芸術作品」だ。
顔だけが描かれていない1920年代の肖像画。
天井のない、無限に反射する鏡の立方体。
3分42秒で突然途切れる、誰もいない朝の街の映像——
失恋したグラフィックデザイナーは、白い顔の肖像画の前で立ち尽くす。
自分の仕事に疑問を抱く建築家は、未完成の立方体に入り、めまいを覚える。
完成とは何か。未完成であることは、失敗なのか。
静謐な美術館で、鑑賞者たちは気づき始める。
作品を「見る」ことは、作品を「創る」ことかもしれない、と。