あらすじ

昼のあいだ、世界は完全に止まっている。 机の上、棚の隅、引き出しの中――そこにある小さなキーホルダーたちは、夜になるまで一切動けない。 夜。 “鍵輪の街”は静かに目を覚ます。 黒い外套をまとい、封印を司っていた異形の存在・クロウ。 驚いた表情が固定された、元人間のキーホルダー・マル。 二人は同じ鍵輪を持つ者として、机の上の世界で夜だけを生きていた。 この街には暗黙のルールがある。 昼は動けないこと。 夜だけ存在できること。 そして――鍵輪が外されると、どこへ行くか分からないこと。 そんな街に、ある噂が広がり始める。 「外に出られる鍵があるらしい」。 それは、人間の世界――“外”へ繋がる可能性。 だが同時に、戻れなくなる危険も孕んでいた。 変化を恐れながらも、外の記憶を持つマルは迷い続ける。 一方、すべてを知っているはずのクロウは、多くを語らない。 やがて夜の終わり、クロウはマルに選択を委ねる。 外へ行くか。 この街に留まるか。 「物語は、迷っている者を選ぶ」 外れない輪の約束を胸に、マルは“外”へ踏み出す。 残されたクロウもまた、静かに夜を見つめ続ける。 これは、夜だけ生きる小さな存在たちが、 自分の居場所と選択の意味を探す、現代ファンタジー。

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エブリスタ
エブリスタ2025/12/30
  • 現在の作品『外れない輪の約束 ―鍵輪の街で、夜だけ生きる―』