あらすじ
夕焼け色に染まる教室。そこに流れ込んできたのは、一宮蓮翔──学校でも名前の知られる人気男子生徒で、チャンネル登録者1万人越えの配信者でもある。彼に呼ばれた修は、理由も分からず困惑するが、蓮翔は突然こう告げる。「これ以上文香に近寄るな、ストーカー野郎」と。修は唖然とする。自分がストーカーだなんて、まったく心当たりがないからだ。
蓮翔は、文香と自分が付き合っていることを告げ、修の存在が迷惑だと断言する。修はその言葉に混乱し、心が締め付けられる。最近、文香が自分を避けている気がしていたことを思い出し、蓮翔の言うことが本当なのかもしれないと不安が増す。文香と話すたび、以前よりも距離を置かれるようになり、笑顔も減っていた。修は自分が文香の邪魔をしていたのではないかと自己嫌悪に陥り、「もう関わらない」と心に誓う。
だが、その決意を胸に教室を出ようとした矢先、文香と鉢合わせる。緊張と気まずさに息を詰める修を前に、文香はすぐに話そうとするが、修は「もう関わらない」と告げてしまう。しかし、文香は黙っていない。「本当のことを言ってよ!」と声を震わせ、涙ぐむ目で修を見つめる。修は蓮翔の言葉を伝えるが、文香は驚き、そして激怒する。「そんな奴の言うこと鵜呑みにして私から離れようとしたの? 私が迷惑だなんて一度も思ったことないわ!」
文香は、これまでの修の優しさや不器用さ、努力家で真面目な性格を挙げ、「修のこと、全部大好き」と告白する。好きだからこそ、緊張や恥ずかしさで素直になれなかったと、率直に感情をぶつける。修はその言葉に胸がいっぱいになり、互いの誤解と不安が一気に解ける。二人の間にあった陰鬱は消え去り、温かい安堵に包まれる。
やがて二人は、再び自然な笑顔で話せるようになり、友達やクラスメイトたちの前でも普段通りの関係を取り戻す。文香は、修が騙されないように、これからも傍にいると誓う。修もまた、文香を大切に守りたいという気持ちを新たにする。
夕暮れの街を手をつなぎ歩きながら、二人はこれまでの誤解や不安を乗り越えたことを噛みしめる。学校生活の日常の中で、小さな笑いや温もりを分かち合い、互いを支え合う毎日が続いていく。卒業の日、校門の前で「ずっと一緒」と誓いを交わした二人は、未来への扉を開く。困難を乗り越え、信頼と愛情を育んだ二人の関係は、静かで確かな幸せに包まれている。