あらすじ

冬休み前の教室で、佐伯はクラスメイトの高橋と三浦から、年越し企画「夢占いチャレンジ」に誘われる。それは、枕の下に“見たい夢の象徴”を置き、夢に出てくるか試すという半ば遊びのような企画だった。象徴にはクラス全員の集合写真が使われ、そこから気になる人物を切り取るという方法が提案される。 半信半疑のまま企画に参加した佐伯は、年越し直前になって写真の存在を思い出し、無意識のうちに幼馴染で隣家に住み、同じ高校に通う西園寺凛の部分を切り取ってしまう。気が強く口も悪いが世話焼きな凛を、恋愛対象としては見ていないと思いながらも、その写真を枕の下に入れて眠る。 夢の具体的な内容は覚えていないものの、目覚めた佐伯の胸には、凛の声や距離の近さといった感覚だけが生々しく残る。佐伯はそれをただの夢だと言い聞かせ、写真を引き出しにしまう。 三学期初日、夢占いの話題で盛り上がる教室で、佐伯と凛は互いに不自然な反応を見せ、周囲から勘繰られる。二人とも夢の内容を否定するが、その態度はかえって動揺を露わにし、教室の空気をざわつかせてしまう。 放課後、凛は佐伯を自宅に誘い、二人きりで話す時間を持つ。沈黙の末、凛は自分の夢に佐伯が出てきたことを打ち明け、佐伯も同じ夢を見ていたことを認める。夢をきっかけに、これまで曖昧にしてきた互いの気持ちが意識される。 凛の「夢のせいにしていい」という言葉に背中を押され、二人は指先を触れ合わせ、関係を一歩進める。それが夢ではなく現実であることを確かめ合った二人は、春を迎え、桜の下で手を繋ぎながら歩く関係となる。夢見草は枕の下ではなく、現実の中で芽吹いていた。

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小説を読もう2026/01/09
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