あらすじ
過去の記憶をもたない10歳の少女真砂は、罪人達と奴隷のように危険な仕事をさせられている。ある日断崖から落ちるも、運よく崖の途中で引っかかり命が助かる。しかし見張りの役人は残酷にも真砂を助けず捨てて去ってしまう。絶望の中死を覚悟した真砂だったが、領主カンナベ家の1人娘の姫様の命で、真砂は崖から救い出されるのだった。独りぼっちの真砂にとって、姫様の優しさは生きる希望となり、姫様のためなら命を失ってもかまわないと恩義を感じるのだった。
真砂が17歳になったある日、領主が守る竜神湖に使いが現れ、古来からの習わしにより領主は竜神に己の娘を花嫁として捧げることになる。しかし領主は真砂に竜の国に行けという。竜神が姫の夫に相応しい人物であるか確かめて戻ってくるようにとの命令だった。命の恩人である姫様の為に、真砂は竜の国にいく決意をするのだった。
湖の底を通って使者に連れられて辿り着いた竜の国。そこには若い青年の姿をした竜神リョクウが待っていた。大切な湖の水かさが年々減っており、湖水を元に戻せるのはカンナベの姫を花嫁にするしかないのだと彼は話す。カンナベときいて「それは私の姫様に間違いない」と確信した真砂は、竜神リョクウに自分が人界に戻り必ず姫様を送ると約束すると、彼はとても喜ぶ。しかしあまりに痩せこけて今にも倒れてしまいそうな真砂を見て、もう少し元気になってからだとリョクウは真砂を人界に帰してくれない。言われるままにご飯を食べ、リョクウに優しくされているうちに、真砂は自分を大切にする生活を取り戻していき、気づけば竜神リョクウのことが大好きになっていた。けれど、自分の役目はこの竜神様に姫様を送り届けることなのだ。優しいリョクウ様のもとにずっといたい……けれど命の恩人の姫様を裏切ることなどできない……無邪気なリョクウに優しくされれば、されるほどに真砂の胸は苦しくなる。本当の花嫁は私ではなく、姫様なのだから。