あらすじ

「神様、どうして私は『この腕章』を選んだのですか?」 1943年、泥濘のベラルーシ。 意識を取り戻した俺の腕には、白地に赤十字の紋章があった。 そこは、第二次世界大戦で最も忌まわしき「解放軍」――カミンスキー旅団。 規律なき略奪、狂気の虐殺。ナチス・ドイツの軍服を着ながら、ドイツ軍からも疎まれ、最後には歴史の闇へと葬られる運命の部隊。 歴史の知識を持って転生した俺の武器は、皮肉にも「言葉」だった。 ドイツ語、ポーランド語、ロシア語、そして東方義勇軍の言語。 趣味で覚えたはずのそれらは、地獄を生き抜くための盾となり、同時に他者の絶望を余さず拾い上げてしまう呪いとなった。 「命を救いたい」と願って放った言葉が、効率的な略奪の片棒を担ぎ、 「真実を伝えたい」と願って訳した言葉が、仲間の処刑宣告となる。 舞台はロコト自治区から、焦土のワルシャワへ。 これは、歴史上最悪の部隊で「言葉」を武器に戦い、そして敗れ去る、一人の通訳兵の記録。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/01/09
  • 現在の作品バベルの焦土 ―カミンスキー旅団、通訳兵の絶望―