あらすじ

幸福が義務づけられた高度福祉都市〈エデン〉。 市民はライフログ端末によって心身を管理され「不幸」は治療すべき異常とされる。 17歳の少女ミラもまた療養センターで暮らしているが、数値上は問題がないにもかかわらず、希死念慮と無気力から抜け出せずにいた。 優しさも正しさも十分に与えられているのに、なぜか息ができない――その理由を誰にも説明できないまま、彼女は監視の死角である資材置き場へ逃げ込む。 そこで出会ったのは、市民IDを持たない無口な清掃員の少女だった。 治されていない傷を抱え、廃棄されたゴミを集め、雨水を飲む彼女は、この社会のどこにも属していない存在だった。 彼女はミラを慰めず、救おうともしない。 ただ、端末を見ずに脈の速さを確かめ、濡れた服の「重さ」を事実として受け止める。 その何気ない関わりが、ミラの中にあった「軽くならなければならない」という呪いを、静かに壊していく。 これは、正しく生きられなかった誰かが、勝手に息をしてしまうまでの物語。 ※なろうにも掲載

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カクヨム
カクヨム2026/01/09
  • 現在の作品幸福が義務の世界で少女は呼吸する