あらすじ
生活に追われながらも、慎ましく生きていた少女・エリナは、事故をきっかけに異世界へと転移する。そこで彼女は、土地や天候を「調律」する不思議な力を持つ存在として目覚めるが、その力は神々によって荒れ果てた世界を修復するためのものだった。
世界の管理者から協力を求められるものの、エリナは王や宗教、組織に属することを拒み、名も名声も求めず、ただ一人の旅人として各地を巡る道を選ぶ。干ばつに苦しむ村に雨をもたらし、枯れた土地に緑を取り戻しながら、彼女は少しずつ「生きている実感」を取り戻していく。
その旅の途中、エリナは傷ついた狼と出会い、相棒として共に歩むようになる。孤独だった旅は、やがて確かな温もりを伴うものへと変わっていった。
力を利用しようとする者たちから追われながらも、エリナは自分の意志で生きることを貫き、世界は完全ではないながらも、確実に再生の兆しを見せ始める。
英雄として祭り上げられることなく、ただ一人の人間として歩み続ける彼女は、過去を乗り越え、この世界で生きることを選んだのだった。
それは静かで確かな、彼女自身のハッピーエンドである。